イズミの主義







職員室から出て昇降口に向かっていると





「泉、ありがとな」




低い声でそう言う桐原





「なに、急に」




「別に?ありがとうって言ってるだけじゃん」




そう言うとフッと笑ってわたしの頭に手を置く





なんだかこれが最後のような気がして桐原を遠くに感じる




どうしたの、桐原…





「き、きり「成瀬!!!」




わたしの小さな声はかき消された




声のするほうを見ると少し息切れする小森が立っていた





「成瀬…」




桐原の手はゆっくりと離れた




でもわたしの頭にはまだ桐原の熱が残っている





桐原を見ると優しく笑って





「じゃあね、成瀬さん
今日はおつかれ」



そしてわたしに背を向け歩き出す