イズミの主義




ブーブーブーブー


『永司』


携帯に表示される名前



永司か…





「はい」



『あ、桐原?もったいぶってないで、すぐ受けなさいよ』





もう一回携帯の画面を確認する




うん、永司だよな…





でも電話の向こうの相手は片岡で




「なんで片岡」




『どうせ私からの電話は受けないでしょ

そんなことより泉は?』




泉という言葉を聞いただけで苦しくなる



「……」




『泉の名前出しただけですごいテンションの下がり様ね



やっぱりなんかあったんでしょ』







「ねぇーよ」



逆に何かありたいぐらいだよ



『今すぐいつものところに来なさい』




「ムリ、今から塾」





『じゃ、泉と塾どっちが大切?』



「待っとけ、5分で行く」




俺は学校を飛び出した