「ちょ、桐原ってば!」
つっついてもグデーとして一向に動かない
「あっつ!熱あんじゃん!」
桐原は少し赤くて額からはじんわりと汗が出ている
一番手前のドアを開けてみるとちょうど寝室だった
「…桐原がんばって」
桐原を引きづりながらなんとかベッドに寝かせる
「ふぅー」
スヤスヤと眠ってなくて、とても苦しそう…
これってどうするべきなの?
帰る…?
イヤ、帰るのはさすがに鬼じゃない…?
冷たく冷やしたタオルを額に乗せ桐原を見る
…苦しそう…
でもこれ以上わたしが出来ることなんてないし…
そう思って寝室から出る
改めて見渡す部屋の様子
なんていうか…
なんにもない
生活感がない…
ダメだとは思っているけどキッチンを覗いてみる
んーー、リビング以上に生活感がない…
ご飯食べてんの?
そして
「米と卵はあるね」
なぜかわたしはお粥を作り始めた
