「あの、わたしやっぱり桐原とは付き合えません」
「それ、お邪魔しますの次に言うこと?」
なんて言ってわたしのことを鼻で笑う
え、なんで笑うの…
わたし、必死で考えてきたんですけど
「すぐ言った方がいいかと思いまして」
告白したのはもしかして冗談だった…?
勘違いして本気にとらえただけ…?
もはや桐原のこの余裕すぎる態度に告白された事実でさえ幻想に思えてくる
自信もなくなり敬語になる
「そんなのあやふやにしとけば良かったじゃん」
この桐原の言い方だと告白されたのは間違いじゃないっぽいけど…
「そういうのはイヤだから」
「そうだと思ったよ、そこが好きなんだけどね」
さらっと言っているようですがすんごいこと言っている…
そしてわたしの体温は急上昇
「そ、それだけ言いに来たから…か、帰る」
「…う、うん」
元気のない声が背中から聞こえる
ドアノブに手をかけて初めて手が震えていることに気づいた
自分の本当の気持ちを伝えるってこんなに緊張するんだ……
ドンっ
…!??
後ろを振り返ると
「…き、桐原!??」
