集落のある方向とは逆に、歩きだす。

ちらほらと、木が生えていて、先へ進むごとに、

森に入り込んでいく感じ。

「ルイカは、ジルのこと、何だって答えてた?

口が悪いとか言われてるのは聞こえたけど」

「マヤの元恋人・・・ではなくて、

相手にされなかったって。魔物だって」

「そうか。雑な説明だけど、嘘ではないな」

「もう、ここにはいないの?」

「帰ってしまった。

湖にね、落ちてきたんだよ。瀕死の重症で。

多分、命からがら、

何かに飛び込んで身を隠そうとしたんだ。

そおしたら、それがたまたま『湖の入り口』で。

全身傷だらけなのに、水に落ちてしまった。

ルイカが気づいて助けたんだけど」