家の出口からは、集落の向こう側の湖が良く見える。

「きれいな水。あの水を汲むの?」

マヤは首を横に振る。

「あれはダメ。飲めないんだ」

「あんなにキレイなのに?」

「キレイすぎると思わない?」

そういわれれば、輝く濃い青の水。

青の洞窟とか。

そんな感じの、深くて強烈な、青。

「銅でも溶け込んでるとか?」

「毒だって意味では近いね。

あれは湖の精が管理してて、あっ」

マヤの目が、湖を捉えて固まった。

「誰か、落ちた」