こういう子のことを、あたしの友達は、天敵のように思ってたっけ。

きっと世界中から、かっこいいヒト達を、かっさらって行っちゃうんだよ。

こういう子が。

「じゃ、行こう」

あたしは、手を引っ張られる。

そういえば、あたしの手はつながれたままだった。

手を通じて、あたしの考えてたこと、全部読まれてたら、イヤだな。

あたしは、石畳をどんどん歩いて、幾つめかの家にたどり着いた。

近づいても、やっぱり可愛い家。

どの家も、見分けがつかなさそうだけど。