「・・・え?」

「私の名だ。オージは」

王子いや、オージは驚いている。

あたしも驚いた。

まあ、どうでもいいけど。

マヤはゆっくりと、割れたカプセルの隙間から出てくる。

「大丈夫?」

手を差し出すと、冷たい手で握り返した。

「うん」

「・・・寒そうだね」

これが、ノエルだったら、

抱きついて体温で暖めてあげるんだけど、マヤなんだ。

・・・出来ません。