魔物☆に恋して

振り返る。

騒がしい声。

「おお、もうじき麗しの姫に会えるのか」

・・・あいつだ。

姿が現われなくてもわかる。

どうしよう。

「マヤ・・・」

ガラスに触れる。

と、めきめきっとひびが入って、カプセルのこちら側半分が割れた。

でも、茨が。

痛いらしく、マヤは動かない。

あたしは手を伸ばして、茨のとげで、思い切り指を突いた。

「痛っ」

「その声、誰だ!!」