魔物☆に恋して

奥行きのない店が立ち並び、

色とりどりの商品を、店の外まで広げている。

逃げ込むにはいい場所だ。

自分がどこにいるのかもさっぱりわからないけれど、

あたしは必死で、店の間を走った。

「はあ」

迷路のような小道を、ぐちゃぐちゃに逃げた。

疲れた。

座り込む。

マヤの貸してくれたシャツを、引っ張って、体を覆いなおす。

マヤの服。

マヤ。

会いたいよ~

マヤの服まで急に愛おしくなる。