魔物☆に恋して

カメレオンはニッコリ笑った。

「あなたなら、救ってくれそうだ」

あたしじゃなくてもそうすると思う。

よほど歪んだ人間じゃない限り、

目の当たりにした町やヒトを、

根こそぎに滅ぼしたいなんて思わない。

それに、

「爆発させたら、

あたしも巻き込まれちゃうんじゃないの?」

「それは・・・大丈夫です」

ちょっと嫌そうな顔で、しぶしぶと。

「万一あなたが起爆装置を押したら、その瞬間、

あなたは元いた場所に転送されます」

じゃあ、さっさと帰りたいあまり、

押しちゃうって場合もあるかな。