魔物☆に恋して

「はい。終わり。よく我慢したね」

もう、痛くなかった。

ノックの音がした。

「ちょっと待って」

言って、マヤは自分のシャツのボタンに手をかけた。

器用そうで、器用な指先。

プツプツとボタンを解いてく。

無駄がないのに、優雅な雰囲気をはらんだ動き。

はらりと、肩からシャツを落とす。

片方の腕に、何かある。

金色の紋章のようなものが掘り込まれている。

「サラ・・・」

はっとして、マヤを見た。

マヤは真顔だ。
あたしの後ろに両手を回して、

脱いだシャツを肩にそっと乗せる。

体を曲げてあたしのそばに顔を寄せる。