夜も深まる10月の夜の町。
その中に一つ漂う光。
その光の正体は私の部屋。
私は机を睨み付けていた。
「だめだあああああああああ!!」



「ふわぁ・・・。」
眠い。だめだ・・・。歩いてるのに眠れちゃう。
どうも。夏樹花火、鈴高校の一年です。
・・・。ゴンっ!
「にゃっ!?」
私は痛みからおでこを押えて座り込んだ。
目の前には『止まれ』赤い日標識が。
私は眠りながら歩いていてゴッツン☆というわけだ。
にしても痛い!とにかく痛い!
「くっ!ぷぷぷ・・・。」
ん?なんか笑い声が聞こえたような。
「何今の。恥ずかしいやつ。」
そこには憎たらしい顔で私を見下ろすヤツがいた。
春杉彼方。うちの民宿に居候してる幼馴染み。
昔から私に何かしらいたずらを仕掛けてくる天敵。
最近、彼女ができたかなんかでちやほやされてるみたいだけど
あんまり興味がわかない。
「なによ。しょうがないじゃん。」
「いや、だからって『にゃあ』はないんじゃない?くすくす」
はぁ!?ホントにいやな奴だな!
「うるさいな!早く行きなよ!」
「わかったよ。んじゃあハイ。」
なんだ?この手は。
金でもほしいのかな?
そう思った私はバックの中をあさる。
「何やってんだよ。怪我でもしたか?」
「なにいってんの。金請求してきたのはあんたでしょ?」
なんて無礼なやつだ。とにかく私の前からいなくなってほしいのに
どこうとしてない?
「金?誰がそんなこと言ったんだよ。立ち上がらせようとしただけだし。」
「・・・?どうしたの?もしかしてどこかに頭打ったんじゃ!」
「馬鹿かお前は。頭打ったのはおまえだろ?ほらいいから!」
ぐいっと手を引かれる。立ち上がれたから手を放そうとしたのに
なぜかヤツの手にさらに力が込められた。
「まだなにか?あ、一応お礼言っとくね。あり・・・」
「今日からお前は俺の彼女だからな。」
ヤツは私の行為を途中で遮りこういった。