混乱する私の口の中にコロッと何かが入り、ふわっと甘いフルーツの味がした。
「はい、どーぞ」
西内君は口の端をクイッと上げる。
ま……まさか……
私の口の中に入ったのは、さっきまで西内君の口の中にあった飴。
と、いうことは……口移し……された?
「ななななな何するの‼!」
真っ赤になる私。
「だって、お前がその飴欲しいって言うから」
「だ、だからって何で西内君の口に入ってた…っ」
普通、舐めかけのじゃなくて新しいのくれるでしょ‼
「だって、これ1個しかないし」
「な、ならくれなくて良かったのに‼」
それなら最初に言ってよ!



