悔しいけど…全部西内君のおかげなんだ。 飴を口に含む西内君からは甘い、フルーツの香りが漂う。 西内君の横顔に思わず見惚れてしまう。 「ん、何見てんだよ」 西内君に言われ、我に返る。 「い、いや、何でもないです!!!」 み、見惚れてたなんて絶対に言えない。 私の様子を見て西内君が何か思いついたような表情をした。 「もしかして、飴が欲しいの?」 「へ……?」 あ、飴? 「この、フルーツ味の飴。」 舌の上にのせた飴を私に見せる。