「んー……うまくすくえないよ~……」
金魚すくいを始めたものの、私は全くすくえない。
ポイはもう、破けてすくえそうにもない……。
「おじさん、俺にもやらせて」
屋台のおじさんに西内君が声をかける。
「はい、1回300円ね」
そして西内君も金魚すくいを始めた。
西内君は私と違って手際よく金魚をすくう。
「西内君……すごい!」
こんなに上手い人、初めて見たかも。
「キャー、あの人かっこよくない?」
「金魚すくいすごく上手いじゃん!」
と、隣で金魚をすくっていた女の子たちが騒ぐ。
そして西内君は30匹ぐらいの金魚をあっという間にすくった。



