「俺だって、お前が思ってるほど何も感じてないわけじゃないんだからな」 「へ……?」 それって…… 「私にドキドキしてくれてるってこと……?」 「当たり前だろ。正直、今だってすっげぇ緊張してる」 そう、だったんだ……。 西内君ばっかり私をドキドキさせてずるいって思ってたけど…… ………そうじゃなかったんだ。 「次、どこ行く?」 「え、あ、じゃあ……金魚すくい!」 「んじゃ、行くぞ」 西内君はまた私の手を引いて、金魚すくいの屋台へ向かった。