「―――そろそろ帰ってきてるかな」


私はしばらく西内君の家に滞在した後、


「………行くぞ」


「う、うん」


麗奈ちゃんの家に向かった。


西内君の家の階段を下りたところに、西内君のお兄ちゃんがいた。


「お、颯太」


「………。」


「颯太の彼女。もし、颯太に飽きたら俺んとこ来てもいいからな?」


と、私にウィンクした。


「未愛に話しかけんな、クソ兄貴。……行くぞ」


西内君はお兄ちゃんを睨みつけると、私の手を引いて家を出た。