「麗奈の部屋から俺の部屋にくるのは場所が離れてるから不可能。麗奈の部屋から飛び移れるのは兄貴の部屋だけ。ほら、見てみ?」
と、西内君がカーテンを開ける。
確かに、西内君の部屋のベランダから見えるのは、逆隣の家で、麗奈ちゃんの部屋とは真逆方向だ。
「兄貴がカーテン開けっ放しで色んな女とこんなことしてるのは日常茶飯事。しかも兄貴は俺とそっくり。麗奈はそれを利用して未愛を騙したんだろ」
そういうことだったの……!?
じゃあ、今日駅のホームで見たのもお兄ちゃんだったんだ……!
私ってば……騙されてたなんて……。
「でも麗奈ちゃん、今日西内君にキスマークつけられたって見せてきたよ…?」
「はぁ……それも嘘に決まってるだろ。アイツなら男の宛てならいくらでもあるだろうし、未愛に見せるためにつけてもらったんじゃね?」
「じゃあ、麗奈ちゃんと中学のとき付き合ってたっていうのは……!?」
「………それは本当」
え……!?



