そしてついに、服のボタンへと手をかけた。 「ちょ……っ!やめてください!!」 私がいくら訴えてもやめてくれない。 もう……ダメなのかな。 「西内君……た、すけて……っ」 私が独り言のようにつぶやいたときだった。 バンッ―――― 「へ……?」 部屋の扉が思いっきり開かれた。 「兄貴!!!何やってんだよ!!!」 「西内……君……」 そこには、私の大好きな人がいた。 「お、颯太」 「お、颯太じゃねぇーよ!!!」 西内君はお兄ちゃんに怒鳴ると、すばやく私を抱き寄せた。