「未愛、手震えすぎ」



「だ、だって………っ!恥ずかしかったんだもん……。」



意地悪な笑みの西内君に頬っぺたを膨らませる。



「ふ、可愛いヤツ」



西内君は立ち上がってこっちに振り返ったかと思うと、前から私を抱きしめた。



「に、西内君……っ!」


「未愛は一生俺のもんだから」



西内君の吐息が耳にかかって胸の鼓動が速くなる。




「……俺以外のヤツを好きになるの禁止。わかったか?」



「あ、当たり前だよっ!私は西内君以外の人なんてありえないもん…っ」



私は西内君の腰に腕を回した。



ねぇ、西内君。
私……ほんとに幸せで…怖いぐらいだよ。



こんな日々が続けばいいなって思ったり。



私はこのときは気づきもしなかった。
西内君との別れが再びすぐそこに迫っていることを───