「未愛………」


西内君に名前を呼ばれてキュンとする。


「西内君……ありがとう」


西内君の香りが鼻をくすぐり、安心する。


「未愛は……あの動画を晒すぞって脅されてたってことだよな?」


西内君の質問に頷く。



「晒されたら西内君が傷つくだろうって我慢してたけど……もう束縛に耐えられなくなって……西内君が傷つくかもって思いながらも…自分のために別れを告げちゃって……私、最低だよね…」



「未愛は最低なんかじゃない。それに…俺は未愛が無理してる姿を見る方が傷つく」


「え……?」



西内君は私を腕から解放すると、私を見つめた。



「………好きなヤツが傷つくなんて、嫌に決まってんだろ?」



西内君の口から出た言葉は信じられないものだった。