それから私と九条君は恋人同士になった。


西内君のことはできるだけ避け、目を合わせないようにしよう。


『新垣未愛の彼女は九条だ』
そんな噂が次の日には流れたから西内君も知っているに違いない。


妃奈ちゃんには九条君を好きになったと、伝えたら妃奈ちゃんは『未愛が幸せならいいんじゃない』と言ってくれた。



西内君に別れを告げた次の日の放課後。



「未愛、帰ろうか」


「うん……」


九条君が私の手を取る。



「妃奈ちゃん、ばいばい」


「ばいばーいっ」



妃奈ちゃんに作り笑いで手を振り、教室を出る。