───そのときだった。



ガタッ………



「ん?」



何か今、廊下で音がしたような……。



「何か今、廊下で音がしたよな?」



「う、うん……」



「見に行くか」



この辺りの教室に来る人なんてほとんどいないのになぁ……。



西内君が図書室の扉に近づく。



そしてそーっと、扉を開いた。



「誰かいんのか?」



廊下に西内君の声が響く。



「誰もいねぇーのかな?」


「きっと、気のせいだよ」



うん、ここに来る人なんていないよ。
よっぽどの用がない限り。