図書室に向かっていると、
「新垣さん」
と、誰かに背後から話しかけられた。
振り向くと、そこにはクラスメイトの九条真紘(くじょうまひろ)君がいた。
九条君とは喋ったことがない。
私のイメージでは…眼鏡をかけてるから知的で真面目そうなイメージ。
「九条君、どうしたの?」
「あの…今から少しだけ話せない?」
何か用かな?
少しならいいかな……
メールすれば大丈夫だよね。
「うん、わかった。あ、ちょっと待ち合わせしてる友達がいるから遅れるってメールするね」
「あ、うん」
私は急いでケータイをポケットから取り出して《少し遅れます》と、西内君へメールを送信した。
「よし、送信完了」
「じゃ、近くの空き教室にでも行こうか」
空き教室に向かう九条君に着いていく。



