「あれ、何で付箋なんか貼ってんの?」 関本君が後ろを向いて聞いてきた。 「わかんない問題をチェックして教えてもらうの」 「誰に?」 ………あ。 私は『言っちゃった』と、慌てて口を手で塞いだ。 「あー……その、知り合いに‼」 私の頭に浮かんだのはそんな嘘だった。 「知り合い、か。なんか、すげぇーな」 「ま、まぁ…数学が得意な人なの……」 あはは、と笑う私。