とは言ったものの、
さっきから1人でぺらぺら話している目の前の女が可愛くてたまらない
「ねえ聞いてる?
今度ミスチルのアルバム出るんだよ?
今度はさ、桜木と桜田の、桜っていう曲が出るといいよねー♪」
「ああ、そーだな。」
適当に応えると
「あ、でも桜井さんの桜でもあるから、そんな曲名付けないかな…」
とまた1人モードに突入しやがる。
少しくらいは俺のことを気にさせてやらないとな
「お前が俺と結婚しても桜は残るな」
え?という顔をしてこっちを見るから
ニヤッと笑ってやったら慌てて
「なっ、なに、何言ってんの!///
そ、そもそも桜なんて曲名きっと付けないし…って、さっき言ったじゃん!」
必死に抵抗するのが可愛い
「俺と結婚したくないわけじゃないんだな」
列が大きく動いたのに合わせて蒼を横目に歩き出す
蒼は後ろから小走りで何かを言っている
「ちょ、本当に何言ってんの//バカじゃないの///
私は彼氏と3日前に別れたばっかりだって言うのに!!!
うわっ」
俺がいきなり止まると、蒼が背中に突撃した
振り返って蒼の顔の至近距離で言ってやった。
「もう彼氏じゃなくて、
元彼だろ。」
