好きなやつが、彼氏と別れて泣いてるのに、何もしないで見てろってほうが無理があるだろ。

少しは、こいつを前に向かせてやれただろうか。




あとは、俺がこいつを振り向かせるだけだ





この、鈍感姫を。





次の日、蒼がいつものように笑顔で南と話していた

話し終えたのか俺の後ろの自席に戻ってきた



でも、南がにやにやしてるからきっと俺の話をしていたんだろう



いつからか、なぜばれたのかわからないけど、南は俺が蒼を好きなことに気付いている

だから、俺に不利なことがあるといつもにやにやしている




あいつだって、海のことが好きなくせに




海は、恋愛に疎いから、早く手を打たないと、すぐ押しの強い女に盗られちまうぞと言ってやりたい




そう思っていると、蒼が俺の顔を覗き込んできた


「龍?おはよ?」



おいおい、、、これは不意打ちすぎだ




「、、はよ、もう大丈夫なのかよ?」




南が笑うのを我慢しているのが見えてうざい。