「ゴキ…ッ。ゴキ…ッ。」 私はもう半泣き状態。 「ったく、何ゴキブリごときに騒いでんだよ。」 いつの間にか優雅が机に来ていて、片手に持っていたティッシュの中にゴキブリを包み込み、窓の外へと放り投げた。 「ゴキ…ッ。」 「もういない。いないから。」 いつもの優しく大きな手が、私の頭をポンポンっと叩く。 何故か、久しぶりな気がしてしまう。