そして、ゆっくりと立ち上がり、キッチンへと行き、冷蔵庫を開けた。 麦茶の入ったボトルを取り出し、コップに注ぐ。 「…愛梨、何があったのか俺は知らない。家に帰ってきたくないときだってあるかもしれない。でも、愛梨に何かあったとき、居場所が分からないと何もできない。これからはちゃんと、連絡くらいよこせよ?」 お兄ちゃんは麦茶の入ったコップを私に差し出しながら言った。