「ってぇ。優雅、愛梨が欲しいなら、まず俺を抜けよ!」 「大兄は永遠に抜けねーよ!」 そんな2人の楽しそうなやりとりを冷ややかに見つめ、私は静かに一人家に入った。 優雅が隣にいる。 生まれてからずっと。 子供の頃は、私の方が大きかった。 私の方が強かった。 一緒にお風呂も入った。 一緒の布団で寝たりもした。 それが段々となくなった。 いつからだろう。 優雅を“男”だと感じ始めたのは。