愛しい恋




私は急いで涙を拭い、笑顔で立ち上がった。


お兄ちゃんに心配はかけたくない。


いつも心配かけちゃってるから。



「なんでもない。ゴミが目に入ったみたいで、痛かったの。」


私は靴を脱ぎ、お兄ちゃんの横を通り過ぎ、リビングへと入った。


シチューの良い匂いがした。


「あ、優雅いなかったか?」


“優雅”という単語に身体が敏感に反応する。