愛しい恋




「…早く帰れって。」


そう静かにハッキリ言った優雅の言葉を聞き、私は何も言わず、家の中へと逃げ込んだ。


「…ヒック…」


私はドアを閉め、電気も付けず、真っ暗闇のなかドアからずり落ちた。


そして膝を抱え込み、声を殺して泣いた。



「…愛梨…?おかえ…って、どうした。泣いてんのか?」


リビングから私が帰ってきたのに気付いたお兄ちゃんが、私の異変に気が付き、暗闇の玄関に電気をつけた。