「愛梨、怒ると可愛い顔が台無しだぞ。」

「うるさい。」


冷たく言い放しても、優雅に、好きな人に“可愛い”と言われたら、胸が高鳴らないわけはない。


いつも私ばかりドキドキさせられる。
私だけが、ドキドキしてる。


そんな現状が悔しくて、切なくて。



「愛梨は黙ってれば可愛いんだから、怒るなよ。」


優雅が大きな手で私の頭をポンっと叩いた。