-鹿來Said-
ふぅん……卯月綾那…か
確かあいつ…いつも掲示板に俺と並んで名前が載ってる奴だよな…?
…俺が2位の時は…あいつがいつも1位だったような…
まぁ…あいつも簡単にいけそうだな…
あいつのプライドでもギタギタにしてやろうかな…
教室に戻りながらそんなことを考える
…おっと、忘れるところだった
危ねぇ危ねぇ
俺はふと思い出して懐に手を突っ込んだ…が…
……ん?!
ない…??
急いでさっきの場所に戻ってアレを探し始める
もう卯月綾那はいなかった。
そして、アレもなかった。
「なんでねぇんだよ!?くそっ」
こんどは教室を探してみるがやっぱりない
「…まじで、どこいったんだよ!アレがねぇと…」
俺のそんな声と重なってまた1つ声が聞こえてきた
「お前が探しているのは、この生徒手帳か…?」
声のする方を見ると卯月綾那が教室の戸にもたれ掛かってアレを持っていた
「卯月…さん…。…拾ってくれたの?」
俺はなんにもないように装うが
「如月…犯罪者が証拠を残さぬようトリックをしかけるように自分の秘密も手元に持たずにどうにか隠しておいたほうがいいぞ」
そう言って彼女は俺の生徒手帳をめくり、一つのページを俺につき出した。
