形から入るラブもあるのか…?
もしそうならば…恋愛シミュレーションを体験すれば私でもラブがわかるのでは…?!

でも…誰が私なんかの相手をするんだ?
雅は「やる」と言い出しそうだけど、それだと私の良心というモノが痛むしな…

「ん、ごめん…」
「あっ…」
「今まで君のことそういう風に見たことなかったから…」

あーぁ…

「でも、これからも友達として…仲良くしてくれないかな?」

うわぁ~……
こいつ酷い奴だな-…
いままで読んだ恋愛物語が正しいならフられた相手に翌日から今まで通り普通に接することなんてできるわけないのに…


桜庭さん可哀想-…。


「う、うん、わかった。聞いてくれてありがとうね。じゃぁ、また明日」
「うん。本当、ゴメンね…。バイバイ、また明日」


桜庭さんはササっと角の壁に隠れた私の前を走り去っていった。


しばらくして
ちらっと如月を見る。

如月は懐から生徒手帳を取り出して何か書き込んでいた。


生徒手帳…?

視線に気付いたのか如月は私の方を見た。
そして、さっと生徒手帳を懐に直した。

…?


「あれ、卯月さん?どうしたの、こんなところで」
「あ、え-っと…職員室から戻る際にここ通って、そしてたまたま如月くんの告白現場に遭遇しちゃって…それで、えーっと…邪魔するのもアレかなぁって思って、そこの壁の影で終わるのを待ってたんですけど…」

一応、前のっぽい(?)喋り方をしてみる。

「あ、変なところを見せちゃったね」
「い、いえいえ」