「う゛ぅっ、あっりがっ…と…ぅ」
「まだ…泣くのは早いよ」
「え?」
綾ちゃんは小さく微笑むだけだった。
-ガタガタガタっ
「来たみたいだね」
「東条さん、大丈夫ですかっ?!」
「え?」
「救急車、如月病院に頼んだよ」
「な、なんでわかったの?」
「机、それ如月病院の薬でしょ?だから」
「っ…そっか」
「吹雪様の容態は?!」
よ、容態…えーっと
「脈はあります。でも…意識はありません。刺し口も切り口もありません」
「わかりませた」
「いち早く…お願いします」
「はい、では付き添いは」
「羽唯さんが付き添います」
え?綾ちゃんは…?
綾ちゃんの方を見ると…やっぱり微笑むだけ…柔らかく。
なんだか
『あとで行くから』
って言ってるみたいだった。