「はぁ~い…」
目の前には意外な人が居た。
「東条さんっ!す、凄い声が聞こえたけどどうかした?!」
そこには息を切らした言葉では表せないほど凄い形相の綾ちゃんが居たんだ
「あ、綾ちゃぁぁぁあああん!!!」
「どうしたのっ」
「ママがっママがぁ~っ」
「どこに?!」
「…こっち」
リビングに綾ちゃんを連れて行くと綾ちゃんもやっぱり顔を真っ青にして焦ってた。
でも羽唯とは違かった。
「羽唯ちゃんっ!羽唯ちゃんはおば様についててあげて!救急車、呼んだから!!」
「う、うん」
…また、羽唯って呼んでくれた…。
…友達でもない羽唯のことを助けてくれた…。
そのことがただ嬉しくてもっと涙が溢れてきた。
「え、綾ちゃんどこ行くの!?」
綾ちゃんは玄関に向かっていた。
「大丈夫、すぐ戻ってくるから」
綾ちゃんの顔はもう真っ青になってなくて落ち着いた声でそう言った。
とても安心できる声だった…
「東条さん、戻ったよ。救急車来た?」
本当にすぐだった。たった3分で戻ってきたんだから。
「まだ…。綾ちゃん、この人は?」
「近所の斉藤さん。救助を手伝って貰おうと思って、子供だけじゃ大変でしょう?」
