君への小さな想いを掲げて *my first love*

耳に響く、優くんの初めて聞いた怒鳴り声。
逃げてばっか…。

私が邪魔しちゃいけないって思っていたのはただ単に逃げていただけ?

『お前は光に言われたことを盾にして逃げてるだけだ!戦ってもいなければ傷さえない。日和は戦って戦って。なのに、お前はずっとそんな盾に守ってもらってんのか!弱虫!』

「弱虫なんかじゃない!」

『どこがだよ!お前は弱虫だ!何もしないで、ただ1人で逃げようとしてる臆病もんなんだよ!』

「…びょう…じゃ…ない…」


『じゃあ見せてみろ。お前が臆病じゃないって。直接気持ち伝えて。そしたら俺は認める。』


「でき…ない…。光くんも、きっと私のことなんか…」


『あ!?まだなんか言うのか!光はな、お前が病気にかかったんじゃないか心配していっつも俺に電話してくんだよ。日和も毎日毎日お前を探してる。お前は回りに迷惑かけたかったのか?そうじゃないだろ!』


「…うん」


『光は、ちゃんと聞いてくれるやつだって知ってるだろ?』


「…うん」


『俺が好きなのは今の希凛じゃない。気持ち伝えるまで、話しかけてくるな。』

優くんはそういって一方的に電話を切った。
怖かった。
…でも胸のモヤモヤに一気に光がさした気がする。