君への小さな想いを掲げて *my first love*

『ごめん。』

それだけ送った。
そしたら、すぐに返事がくる。

『いいよ、全然。逆にオッケーされてたら俺、希凛のこと軽蔑するかも…なんてのは嘘だけど。光の事、まだ好き、でしょ?』

そのメールを見て固まった。
確かにそうだ。

口では諦めるっていえても心がそれを承諾しない。
私は、光くんが好き。

…でももうどうしようもない。
光くんには好きな人がいる。

『うん。でも、邪魔できない。あの2人の仲を』


そう。
邪魔したくてもきっと出来ない。
2人の絆は私と光くんの短い関係と比べれば断然深かった。


しばらく返信がこないまんまでそのまま寝ようとした時だった。
メール着信音が電話着信音に変わっていた。

「も、もしもし」

『邪魔できねぇってさ、なんで1人でそんな深く考え込んじゃうんだよ』

「だ、だって、2人は両思い」

『本人から聞いたのか?ただ単に希凛が思い込んでるだけだろ!仮にそうだったとしても、お前は自分で確かめないで逃げて、ただ決め付けてる!』

「そんなこと」

『あるんだよ!日和に聞いた。まだ好きなら自分の気持ち伝えろってお前が言ってたって!なのに、お前は自分で言ったことを実行できねぇのかよ!日和は逃げなかったのに、お前は逃げてばっかじゃねぇかよ!』