Diva~見失った瞬間から~


高校が見えてきた。ここまで来ると

身体の芯まで冷えた感じ。


「歌音。」


「え。」

突然、後ろから

話し掛けられたと思ったら、

首にフワッと温もりを感じた。


今の声、それに首の温もりから薫る

甘いバニラの香り。


私は声がした後ろを振り向いた。


「楓!」


「よ、歌音。」

後ろには、楓が立っていた。


「寒いんだから、

マフラーくらいしろって

俺に何回言わせるんだお前は。」


「え、あ…。」

首に感じた温もりは、

楓のマフラーだった。

あ、またマフラー忘れた。


「なんだ、また忘れたのか?」


「………うん。」


「相変わらずだなぁ。」

楓は私の頭に手を乗せて、微笑む。


…また私、頭撫でられてる。

目の前の楓はとても格好よくて、

見惚れてしまいそうになる。


「ホラ、早く校舎に入るぞ。」


「……うん。」

楓、本当に格好いい。