彼は愛しい声で私の名を呼ぶ。


「奏乃、こっち向け。」


「……。」

恥ずかしくて葉月の方を向けない。


「寝たフリ悪かったって。

だから、こっち向け。顔見えない。」


「………。」

私が葉月の甘い声に

弱いことを知っていて

葉月はこんな甘い声を出すのだろうか。


そんな声で頼まれたら、

聞かざるを得ないじゃないか。


「俺も、愛してる。」

葉月が私の腰を引き寄せた。


「むぎゅ…。」


「「あ……。」」

私達の間から

呻き声のようなモノが聞こえる。


あ、起きちゃう。

てゆうか、潰れちゃう。