「お前はやっぱり馬鹿じゃねぇか。」


「………。」

分かってる。

馬鹿で意地っ張りで全然可愛くない。


「大体、

何を考えてるかと思えば…嫌いだ?

嫌いな奴と付き合える程、

俺は心広くねぇ。つか、

お前が俺のこと嫌いなんじゃねぇの?」


「そ、そんなワケ無い…!」

私は即答していた。


分かってる。

私はいつだって憎まれ口ばっかで、

碧眞に対しても

全然素直な態度も出来ない。


けど、けど。


「私は…

碧眞が好きだから付き合ってるの!」

これだけは本当に譲れない。


「何だ。言えんじゃねぇか。」

グッと肩を捕まれ、身体を離される。

碧眞の顔が

しっかりと見える体勢になる。


「お前が俺を好きで、俺がお前を好きで。

他にどこに泣く必要があんだよ。」


「………え…。」

碧眞、今…。


「何だ、まだあんのか?言ってみろよ。」

碧眞の表情は不機嫌になっていく。


「あ、碧眞は…私のこと好きなの?」


「あぁ?何度言わせんだ。

好きでもねぇのに

付き合えっか馬鹿が。」

嬉しかった。


いつも以上に乱暴な言葉なのに、

私の心は一気に色付いた気がした。


「……私、全然素直じゃないよ?」


「何を今更。」


「……私、可愛くないよ?」


「んなの、俺が決めることだろ。」


「………私、うるさいよ?」


「それは自分でどうにかしろ。」

私がどんな言葉を出しても、

碧眞がちゃんと答えてくれた。