その次の日、何気無い蒼空との会話中。
「もうホント、奏乃は時鶴の母親だ。」
その一言で俺は目を見開いた。
「奏乃?」
「え?葉月、奏乃知ってんのか?」
知っている…と言うか、
昨日俺が名前を(無理矢理)聞いた人。
「時鶴の幼馴染みで…面倒見が良いんだ。
今は眼鏡してっけど、眼鏡外すと
凄い美人なんだって時鶴が言ってた。」
「………………なぁ、蒼空。
俺、その子に会えねーかな。」
「………………え?」
蒼空が驚いた顔をした。
蒼空との付き合いは中々長いものだが、
女関係の話を俺からしたのは
初めてだった。
「……時鶴に言えば会えると思うけど…。
葉月、奏乃に会いてーの?」
「………あぁ。」
逢いたい。
逢って、話したい。
「んー、
来週の月曜日まで待ってくんね?
その日なら部活休みだし…
それに時鶴が遊びに来る予定だし、
多分奏乃も連れてきて貰えると思う。」
来週の月曜日…。
「…サンキュ。」
また、逢える。