ある日の放課後。


「葉月ー。今日グラウンド使えないから

部活休みだってー。」


「おー、分かった。」


「一緒帰ろうぜー。どっかに寄ってさ。」


「良いけど…。」

珍しく部活が無い俺達は、

気の赴くままに

近くのCDショップに入っていた。


中に入ると

同い年位の女子が騒いでいた。


「あ、ここに有った!Divaのアルバム!!」


「ホントだー!私も欲しい欲しい!!」


「ケイの歌声、めっちゃ綺麗だよねー。」


「あたしライブに行ったんだけどね!

生声もめっちゃ綺麗だったよ!」


「生声聴きたいぃーー!

でもさぁ、エルも凄いよね!」


「うんうんっ!ハモり完璧だよね!」


「「Diva最高ーー!」」

どんだけ騒いでんだよ。


「すげーな、Diva。」

ふと、俺の前で言った。


「蒼空、知ってんのか?」


「え?まぁ、有名だからな。

女2人の歌手グループだよ。

デビューシングルから今発売してる

CDまで全部バカ売れらしいぞ。」


「へー…。」

デビューシングルから全部…。

凄いな。何歳なんだ?


「しかも殆んどが謎なんだってよ。

"ケイ"と"エル"って名前と、

後2人が女ってことしか

世間に公表してないらしいぞ。」


「…へぇ。」