「ハッ、奏乃じゃなかったら

一生このまま葉月がボーカルだな。」

碧眞君。


「奏乃の声がCanzoneで響くなんて…

ヤバい!凄く楽しみだわ。」

優杏。


「確かにヤバいな。

また俺らの人気が上がっちまうな(笑)。」

翡翠君。


そうだよ、皆…皆。

ここに居る皆はいつだって、私を温かく

受け入れてくれた人達じゃないか。


「………ありがとう…。」

涙は、勝手に出てくる。


ポロポロと…目元を熱くさせて、

生暖かい水分が頬を伝う。


「カナ。ピアスつけてくれたのか。

似合う。」

耳に触れるこの手が愛おしい。


私…今なら心から笑える気がする。