あと、1時間。
《キィィィ…》
そのドアを開けるとそこは別世界。
「奏乃、おせーぞ。」
「あ、奏乃来たの!?」
「おう奏乃ー、何日ぶり?」
私を受け入れてくれる人達が、
こんなに居る。
「碧眞君…準備はどう?」
「バッチリ。まだ1時間前だけどな。」
「優杏は?」
「私は特に…心の準備は万端!」
「翡翠君は?」
「んー、
ちょっとワクワクしてヤバいくらい。」
ワクワク…。
「で、奏乃は?」
少し挑発的に碧眞君が聞いてくる。
「……うーん、これからだから、
手伝って欲しいです。」
「ぶはっ。マジか。」
翡翠君に笑われた。
「あ、じゃあ私が手伝うよ!」
「俺もやる。」
「うわ、碧眞は別に良いし!」
「あ?いつも葉月のやってんの俺だぞ。」
「2人でお願いしまーす。」
今日くらい喧嘩はお休みしよう。
優杏も告白しづらいだろうし。
あと、1時間を切った。


