―――…。


「おはよう。」


「あ、奏乃(カナノ)!おはよー!」

教室に着いて挨拶をすると、

幼なじみで親友の牧原時鶴(マキハラ シズ)が

真っ先に挨拶を返してくる。


ニコニコ可愛らしい笑顔を浮かべながら

私に朝イチで寄ってくる。

………マジで可愛い…。


「ねぇねぇ、

今日の放課後さ、奏乃って暇?」

どうやら時鶴は遊びたいらしい。


私は大抵、家から出ない人間だから

こうゆう誘いは断るのだが。


「暇だけど。」

時鶴の場合は特別である。


「ぃやったぁ♪ヽ(´▽`)/

ね、ね、駅前のカフェ行こうよ!!」

時鶴はホントに可愛い。

だから私も甘やかしてしまう。


「駅前のカフェ?」

駅前にカフェなんてあったっけ。


「あ、うんっ!新しくオープンしたの!」

へぇ…知らなかった。


「カフェ♪カフェ♪」

時鶴は可愛いけど…

もう少し周りを見て欲しいと思う。


周囲を軽く見渡すと頬を赤らめながら

時鶴を凝視する男子が数名いるのだ。