「……カナ。
俺は、カナの笑顔を見てみたいんだ。」
「……?」
「だから、お前の苦しそうな顔や、
寂しそうな顔を見ると俺は辛い。」
……苦しそうな顔?寂しそうな顔?
何を言ってるの?
私はいつだって同じ顔をしてたよ。
辛いとか、寂しいとか。
私の表情に現れるワケが無いんだよ。
「なぁ…、カナ。
俺に出来ることは少ないかも知れない。
でも、無いわけでも無い。」
また、だ。
葉月君は、いつも私を真っ直ぐ見る。
その瞳に…私は捕らわれる。
「出来ることなら、待ちたかった。
カナが自分から言ってくれるのを。
でももう、俺は待てそうもない。」
「……は、づき君…?」
「その顔。」
「え…。」
何を言うの?
「そんな顔をしてるお前を…
俺はもう黙って見てられない。」
何で。


