目的地に着くと、そこは公園だった。
それも、
葉月君と初めて会ったあの公園だ。
「こっち。」
で、やっぱり草むらの方に行く。
ガサガサと草を踏みながら進み、
目に見えるのは…ここ一体を見渡せる
小さな緑に包まれた広場のような空間。
あの日は夜遅くで真っ暗だったから、
ここがこんなに景色が良いなんて
知らなかった。
「綺麗な景色…だね。」
彼との沈黙を破ったのは私。
だって…この後に話をするのは
分かっているから。
沈黙を破ったって
どうってこと無いでしょ?
「………カナ。」
ホラ…この声。
どんな話をするのか…なんて、
大体予想は付いてるのにね。
「……何で聴きに来ない?」


